聴こえのしくみ
音の伝わり方
風が吹く、鳥が鳴く、それを音源とした空気の波が、集音器である耳介を通って耳穴に入り、奥にある鼓膜や耳小骨で振動音は大きくなります。
そして蝸牛の中で振動音は電気信号に変換され、どんな高さ(周波数)がどんな強さか分析し分類され、聴神経に運ばれ、最後に脳が記憶を照合しそれが何の音かを決定します。
この過程を経てはじめて“音”は聴こえるのです。
音の図書館
“ 音”を聴いているのは、“脳”です。耳に絶えずいろんな音が押し寄せます。
それでもうるさく感じないのは、脳が必要な音だけを再生し、他をカットしているからです。
いうなれば、いろんな音が記録されているテープがたくさん蔵書されている音の図書館があって、その中からほしいテープを何本かだけテープデッキで再生して聴いていると想像していただければいいでしょう。
補聴器ってどんなもの?
マイクに入った音を増幅器で大きくして、大きくなった音をレシーバ(スピーカー)から出して、耳に伝えるのです。
聴こうとする気持ちの手助けを
しかし、補聴器がいくら音を大きくして耳に伝えても、それが何の音かを理解するのは脳であり、脳に音を伝える聴神経が機能していなければ、音を識別はできません。
補聴器装用者の練習と慣れによって、休んでいた聴神経を目覚めさせる事で少しでも聴きやすくする事が大切です。
補聴器の種類
補聴器には、その形状により、大きく分けて上の3つのタイプがあります。
またその中でも、難聴度、性能によって、様々な種類があります。聴こえの程度と、予算に見合った補聴器を選ぶ事が出来るでしょう。
両耳装用のすすめ
距離と方向を正確に
人の感覚器の中で、目と耳だけが、ふたつずつあるのはなぜでしょう。
それは、視覚と聴覚の場合、距離と方向を正確に捉える必要があるためなのです。
危険な物があったり、近づいている時に、とっさの判断をするためにどうしても必要だからです。
両耳装用だと
*音の方向感・立体感がはっきりします。
*明瞭感が増し、聴き取りが良くなります。
*片耳装用より、ボリュームを抑えられますので、疲労を感じる事なく自然に聴く事が出来ます。
*騒音の中で会話がより聴きやすくなります。
音の距離感
たとえば、右目を閉じると右の方が見えなくなります。
また、片目だけでは距離感が掴めません。
これでは、右側をカバーするために、たえず首を回し右側を意識していなければなりません。
また、片目だけで見る事になりますので、左目に負担がかかります。
それと同じ事が耳にも言えます。両耳装用には、上記のような利点があります。
そのような理由で、補聴器は最初から、両耳装用をお勧めします。
デジタル補聴器
一人ひとりの聴こえのために
ひとくちに難聴といっても、ひとりひとり、その聴こえはさまざまです。
高い声が聴こえない人、低い声がわからない人。
その聴こえに今までより的確に柔軟に対応するため出来たのが、デジタル補聴器です。
よりよい聴こえのために
デジタル補聴器は、調整にコンピュータを使用し、マイクに入ってきた音をデジタル信号に変換して、補聴器内部で周波数ごと(高い音や低い音)に様々な処理を行い、装用者の難聴の種類に合わせて細かな調整が出来ます。
例えば、マイクに入ってきた音の中から雑音部分だけ抑えたり、言葉の明瞭度に必要な子音を強調したり、頭に響くような甲高い音を抑え耳に優しい音に変えたりと、今までの補聴器では、不可能だったことが出来るようになりました。
なかでもNJHのデジタル補聴器は、言葉の聞こえを強調したまま雑音だけを抑え、また嫌なピーピー音(ハウリング)を抑える機能に優れており、環境に柔軟に対応する優れた音声処理が可能になりました。
このような細かな調整が出来るデジタル補聴器が、現在主流となっています。
補聴器を始める時期
補聴器早期装用のすすめ
聴力の低下を放っておくと、やがて言葉の聞き分けが難しくなってきます。例えば声は聞こえているのに「さしすせそ」と言っているのか「たちつてと」と言っているのか聞き分けにくくなるのです。
これは脳に音の情報が伝わらなくなり、いつの間にか音に対する脳の判断力が薄れてしまうからです。
そうなってからではどんな高性能の補聴器も役に立たなくなってしまいます。
その為にも、補聴器の早期装用をお勧めします。
こんな事、ありませんか?
・テレビの音を上げすぎると家族から言われる。
・声は聞こえるのに言葉として聞き取りづらい。
・会話中に聞き返しが多くなった。
・少し離れた場所から名前を呼ばれても気づかないことが多い。
・電話の音やチャイムが聞きづらくなってきた。
・車が近づいて来たことに気づくのが遅れる。
1つでも当てはまる方、聴力測定をお勧めいたします